麻生内閣メールマガジン(第11号 2008/12/18)
この人に聞きたい
編集部注)今月23日、東京タワーは開業50周年を迎えます。今週は、東京タワーの維持管理に携わっておられる日本電波塔株式会社の黛(まゆずみ)直人さんにメッセージをいただきました。

[東京タワーを守って50年]
(日本電波塔株式会社オペレーション本部施設管理部電気課班長 黛直人)

 「うちの鉄塔を守ってくれ」

 この言葉は弊社の創業者、つまり東京タワーをつくった前田久吉が生前語っていた言葉です。私たちは、まさにこの言葉通り、東京タワーをいつまでも丈夫で美しく保つための維持管理の仕事をしています。

 ここでは、代表的な仕事を4つ紹介します。

 まずは、東京タワーの塗装工事。東京タワーは赤と白のツートンカラーだと思われていますが、実は「インターナショナルオレンジ」と白なのです。ペンキの塗り替えは、鉄骨の品質維持のため、5年に1度のサイクルで行っています。未明から早朝にかけて、3工程で最上部も含め全て刷毛塗りの手作業にて仕上げていきます。作業を終えた朝に職人と会うと、顔や作業服がオレンジ色に染まっています。この人たちの苦労により、あの見事なしま模様があり、また、50年という月日が経過してもさびひとつ無く品質を維持できているのです。

 次に、ライトアップの光を冬色、夏色に衣替えする作業です。1つが直径20センチ、長さ30センチもある180個の電球をひとつひとつ手で取り替えています。電球の取替えとともに器具などの異常の有無もこのときに確認します。取替え作業は高所鉄塔部での作業であり、風との戦いでもあります。身の安全もさることながら、工具などの落下には一番気を使っています。電球を交換した後はまたフレッシュな姿でタワーが映し出され、街行く人々を楽しませています。

 3つ目は、放送局関係設備への電気の供給、ライトアップやエレベーターなど電気設備全般の維持管理です。24時間365日を交代勤務にて管理していますのでトラブルがあってもすぐに対応できる体制をとっています。常日頃からトラブルを未然に防ぐべくしっかりと気を配りつつ、東京タワーをご利用いただいている全てのお客様が、より快適に過ごせる設備をと心がけています。

 最後に航空障害灯(*)の電球交換作業。東京タワーには21灯設置されています。タワー最上部については、NHK放送用アンテナの点検を行う際一緒に電球交換作業を行っています。作業に上がれるのは電波が止まる未明。新しい航空障害灯の電球をリュックに入れ、ヘッドランプの明かりをたよりに、特別展望台の上から点検用の階段を上がっていくのです。

 こうしたひとつひとつの仕事が、24時間、365日、そして50年の間、東京タワーを守ってきたのです。

 この50年の間に日本の経済は発展し、東京には高層ビルが増え、東京タワーから見下ろす街並みも大きく変わりました。しかし、世の中が変わっても、東京タワーを訪れる人は途切れることなく、これまでの来塔者数はのべ1億5000万人を超えています。単純に考えると、日本に住むすべての人が1人1回は訪れたことになります。

 東京タワーを守ってきた先輩の技術と思いをしっかりと受け継ぎ、これからも、100年に向け、東京のベストシティーランドマークを目指して、輝き続ける東京タワーを陰ながら支えていきたいと思っています。

(*)航空障害灯とは、煙突や鉄塔など航空機に対して航行の障害となる物件の存在を認識させるために設置される電灯のことをいいます。

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