麻生内閣メールマガジン(第14号 2009/01/15)
この人に聞きたい
[己の持ち場を守る]
(第16期イラク復興支援派遣輸送航空隊司令 1等空佐 北村靖二)
 国連決議に基づき国際社会が一丸となって取り組むこととなったイラクの復興については、日本も積極的に支援することを表明し、平成15年7月には、イラク人道復興支援特措法が成立しました。

 その後、12月の先遣隊派遣、翌年1月の本隊派遣と続き、同年3月3日の初空輸任務以降、平成20年12月12日の最終空輸任務が終了するまでの間、延べ約3600名の航空自衛隊派遣隊員が、「己の持ち場を守る」、そして「将来の日本の国益を守る」という強い使命感のもと、幾多の困難を克服し一つ一つの積み重ねをもって本任務を遂行してまいりました。

 その結果、約5年に及ぶ任務期間中に一人の犠牲を出すこともなく、イラク国民が自らの手で自国の再建を始めるための手助けを行うことができました。

 そして、これらの活動において、日本が国際社会の中で他の国々と肩を並べ、同じ目的のためにともに汗を流したことは、イラク共和国から感謝されたのみならず、国連をはじめとする国際社会からも高く評価され、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という憲法の前文の精神にまさにかなうものとなりました。このような日本が国際社会において果たすべき役割を、「完全試合」で締めくくることができたことにこの上ない達成感を感じております。

 これは、この任務がイラクの復興と安定、中東地域の平和と安定はもとより、日本を含む国際社会の平和と安定の確保にとって極めて重要であり、崇高な任務であるということを、派遣隊員の一人一人が深く認識し、献身的に己の持ち場を死守してきた証左であると確信しています。

 派遣隊員においては、日本に最愛の家族を残し、夏には50度を超す気温、さらには熱風の砂嵐が容赦なく吹き付ける慣れない環境の中で、幾多の苦難・困難に直面しながらの勤務でありましたが、家族の代表として、航空自衛隊の代表として、そして日本の代表として、常に強い使命感のもと、チャレンジ精神を忘れず、向上心を持ち、積極果敢に本任務に取り組んでまいりました。

 今回、自衛隊が行う輸送活動は終了しましたが、我々は今日から再び新たな一歩を踏み出さねばなりません。今回の成果に決して驕(おご)らず、決して高ぶることなく、「国民とともに歩む自衛隊」、「国民とともにある自衛隊」であり続けるため、我々は常に我が身を鍛え、技を磨き、日本の平和そして世界の平和のために必ずや期待にこたえられるよう、己の持ち場を守り続けます。

※ イラク復興のために〜イラク人道復興支援活動〜(防衛省ホームページ)

※ イラク人道復興支援活動(統合幕僚監部ホームページ)

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