麻生内閣メールマガジン(第21号 2009/03/05)
この人に聞きたい
[晩餐会に響いた日韓の子どもたちの歌声]
(ソウル日本人学校長 関谷秀明)
 1月11日(日)のソウルは、寒いソウルでもことのほか寒い日でした。いつもよりはるかに風が強く、冷たく、コートの上から肌に突き通るような寒さを感じたのは私だけではなかったと思います。そのような寒い日、日韓シャトル外交は行われました。

 その夜、韓国の大統領府、いわゆる青瓦台の迎賓館で、李明博大統領主催の晩餐会が行われました。その晴舞台に日本人学校の子どもたちと韓国のCBS放送児童合唱団が招待され、爽やかな歌声を披露することができました。韓国側、日本側がそれぞれ歌声を披露したあと、日韓ワールドカップ2002の時に歌われた「Together」を韓国語、日本語それぞれで、手と手を取り合って全員で歌いました。この光景がとても感動的だったようで、中には目頭を押さえて聴いていた人もいたそうです。麻生総理、李大統領は、子どもたち一人ひとりに握手をしてくださり、声をかけてくださいました。日頃厳しい環境で仕事をされている両首脳が、日韓の子どもたちに示した笑顔に優しい人間性を感じました。

 後日、総理から本校に和太鼓と心温まるお手紙が届きました。早速5年生が和太鼓付の合奏曲の演奏に使用させていただきましたが、5年生は青瓦台で歌わせていただいた学年でしたので、その時の感想も含めて早速お礼の手紙を総理に書きました。

 総理への手紙で記したところですが、今回、私が難しい日程の中、晩餐会での演奏参加を決断した背景は、日本の若い人たちに、もっと政治を身近なものとして感じてほしかったからです。今の日本の教育は、国民生活と密接な関係を持っている政治について、「自立した国民を育てるうえできわめて大切な要素」として教えることができない教師が多いと感じています。今回総理と接した子どもたちのみずみずしい感覚は、国を背負って立たなければならない立場の「総理大臣」というとてつもない役割があることを見事に感じ取っていました。そしてその立場の麻生総理に心からの声援を送っています。このことは、5年生一人ひとりが書いた総理への感謝の手紙に、子どもの感性で鮮やかに表現されていました。子どもたちは、この経験がきっかけで「家庭や地域、自治体、国、国際社会」を背負って立つ立場の人が必要であることを肌で感じることができたのではないでしょうか。そのような立場の方から笑顔で「ありがとう」と言っていただいたことは生涯忘れることはないでしょう。

 また、今回の歌の練習を通じて、歌詞の発音指導などを協力し合ったCBS放送児童合唱団とはその後も交流が続き、「来年の定期演奏会で歌っていただけませんか?」と声をかけていただいています。実現すればまた歌の輪、心の輪が広がり、信頼の輪に成長していくものと感じています。そして、総理からいただいた和太鼓は、運動会や国際交流など、ソウルの空に響き渡ることになります。

 総理のお手紙には『韓国の子どもたちと一緒に日韓双方の言葉で「Together」を歌う姿は、未来に向けた希望を実感させる、本当に感動的なものでした。』と綴られ、最後に『皆さんは、未来に向けて、日本と韓国をつなぐ大きな役割を果たすことができると思います。皆さんが、日本と韓国の歴史をよく勉強し、両国の関係を更に良いものにするために、活躍されることを心から期待しています。』と結ばれていました。総理の励ましの言葉を糧とし、ソウルの地で、学校教育目標である「たくましく 心豊かに 世界に生きる子どもたち」の育成を目指し、保護者の方々、教職員が力を合わせ、そしてまた韓国の方々にも力をいただきながら、確かな歩みができるよう今後とも努力していきたいと思っています。

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