麻生内閣メールマガジン(第24号 2009/03/26)
この人に聞きたい
[教育再生懇談会委員就任にあたって]
(北京オリンピック銅メダリスト、大阪ガス株式会社 朝原宣治)
 大阪ガス株式会社の朝原宣治です。

 昨年の北京オリンピックでは、沢山の応援をいただきありがとうございました。皆さまの熱い声援を背に走ることができ、男子4×100mリレーでは、陸上競技の男子トラック種目で日本のオリンピック史上初めてとなるメダルを獲得することができました。

 この度は、教育再生懇談会の委員という大役を仰せつかり、その責任の重さに身の引き締まる思いです。今の気持ちを例えれば、昨年の北京でのリレーの決勝前のような心境でしょうか。私に与えられた役割をしっかりと果たせるようにがんばりたいと思います。

 私は教育に関しては全くの門外漢で、今後も慣れないことに戸惑う面も多々あることと思います。

 ただ、学生時代から36才の今日まで、陸上競技に打ち込んできた経験、海外に留学してトレーニングを積み、国際舞台を数多く踏んできた経験、それらの経験から、スポーツの持つ力が人間形成や国際交流にどれほど強い影響を及ぼすかを身をもって実感しました。また、社会人として企業に勤め、結婚して、現在は2人の子供の父親でもあります。

 そういった経験者や生活者としての視点から、今回テーマとなっているような教育問題についても、私なりに感ずるところを発言できればと思っています。

 現役を引退した今、陸上競技で育ててもらった恩返しの一環として、陸上競技の普及をはかるために、講師となって全国各地へ出かけています。その中で、子供たちの基礎体力が著しく低下していることを知り、大きな問題だと認識しています。今の子供たちは10年前と比べて、歩く距離も、外で遊ぶ機会も、めっきり少なくなっているのではないでしょうか。

 「子供はどこかで体力を発散しないといけない」というのが私の持論です。体力を使って体が疲れないと、夜もすっきりとは眠れません。それが夜更かしにつながり、結果、朝早く起きられず、ひいては朝御飯も食べられないという悪循環を招いてしまいます。

 朝御飯を食べない習慣は親の問題でもあり、そうした親には「食育」の重要性にも気付いてほしいと思っています。基本的な生活習慣を改めることによって、体力が増し、やる気が出て、授業にも身が入る子供たちが増えるものと確信しています。

 また、小さい頃から自然と触れ合う体験をすることが大切であるとの思いから、今は「キッズ登山」というイベントを企画しています。山登りを通して、自然の中で足腰を鍛えるということはもちろん、頂上に登った時の達成感を誰もが味わえるということも、子供にとっての“生きる喜びの経験”となるのではないかと考えています。

 これまで、私自身、いろいろな活動を通じて経験したこと、教育について考えたことなどが、その一部なりとも、日本の教育の改革や若者・子供たちの夢の実現に役立つならば幸いです。今後とも、そういった広い意味での教育に関わり、少しでも貢献していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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