麻生内閣メールマガジン(第28号 2009/04/23)
この人に聞きたい
編集部注)4月18日は「発明の日」。明治18年に現在の特許法にあたる専売特許条例が公布されたことを記念して制定されています。政府は、昭和42年から、産業財産権制度の普及促進に貢献した個人や有効に活用した企業を「知財功労賞」として表彰しています。今週は、今年度「知財功労賞」のうち「産業財産権制度活用優良企業等表彰」として経済産業大臣表彰を受賞された株式会社シードの西岡靖博代表取締役社長にメッセージをいただきました。

※ 「知財功労賞」について、詳しくはこちらをご覧ください。



[「知財功労賞」に寄せて]
(株式会社シード代表取締役社長 西岡靖博)

 この度、大変名誉ある「知財功労賞」を賜りましたことは、大きな驚きではありましたが、同時に大変ありがたいことだと思っております。

 弊社は大正4年に消しゴムやその他のゴム製品のメーカーとして大阪の地で創業しました。戦後、消しゴムの専業メーカーとなり、当時は創業当時と同様に生ゴムを原料とした消しゴムを主力としていました。

 その後開発を進め、昭和29年に塩化ビニル樹脂により消す効果を高めることに成功し、その製法特許を取得しました。昭和33年には、世界に先駆けて「プラスチック字消し」を発売すると、従来の生ゴムがプラスチック材料に置き換わり、現在ではほとんどが塩化ビニル樹脂からなる「プラスチック字消し」になっています。一方では、字消しでは消せない筆記具を対象とした消し具として、世界に先駆けて「修正テープ」を開発しました。

 ところで、トレードマークであるツボカラスのマークを昭和4年に登録商標するなど、弊社は創業期から工業所有権の重要性を認識していました。ところが、担当部署毎の対応に止まっており、先に記した「修正テープ」の開発に伴う特許権等の取得を境に遅ればせながら専門に取り扱う部署を設けることになりました。それから20年、になります。

 最初は部署を設けるだけでは機能しませんでした。これまでの知識では何ら対応できず、一から知財に関する勉強をし直すとともに、現場では問題は山積しており、知財業務に関し、どれもこれも学習を終える前に対応することを求められ、試行錯誤の繰り返しでした。

 ただ、技術によって、ライセンス供与してグローバルに普及させる戦略と独占的に実施する戦略を使い分けるなど、戦略的に特許権を活用してきたことがよかったのではないかと感じています。

 また、最近では、公開が前提となる特許権の出願とともに、ノウハウとして対外的に秘匿することができる先使用権の活用を積極的に行っており、知財関係費用の最適化に大きな効果をもたらしています。

 今では、私どものこれまでの経験について、話をさせて頂く機会があります。その知財セミナーで、私どもの苦労している点やグローバル戦略などについて、お話していますが、逆にその講演を通じて私どもも勉強をしているというのが最近の実感です。

 この度の「知財功労賞」は、先に述べました20年間で私どもがいろいろなことを勉強したことに対する「努力賞」を頂いたものと思っております。この活動はまだ半ばであり、更に向上すべく「知財功労賞」を励みに精進したいと考えております。

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