麻生内閣メールマガジン(第29号 2009/04/30-05/07)
この人に聞きたい
[大好きな野球とともに]
(野球特別大使、福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長 王貞治)
 第2回ワールド・ベースボール・クラシック世界大会が目前に迫った2月26日、私は外務省にて中曽根弘文外務大臣より「野球特別大使」の委嘱を受け、その足で官邸に出向き、麻生太郎総理にお会いする機会を得ました。

 「野球特別大使」という身に余る肩書きをいただき、戸惑いもありましたが、「自分の人生は野球とともにあり、野球を通した社会貢献活動や国際親善、野球振興が、これまでお世話になった皆さんに対する恩返し」との思いからお引き受けしました。

 戦後間もない少年期、近所の子ども達と野球に興じていた時には、必ずと言っていいほど野球好きのおじさんや、終わった後で食事をさせてくれたり、世話をしてくれるおじさんやおばさんがいました。その人たちに教えられ、見守られるなか、私は他の遊びに目移りすることも無く、野球に打ち込むことができたと思っています。

 昨年で慣れ親しんだユニフォームを脱ぐことになりましたが、50年間もプロとして一つの道に打ち込めたのは、国民的スポーツになった野球というスポーツがあったからであり、私を育んでくれた地域の皆さんのお蔭といっても過言ではありません。今こそ、自分がしていただいたことの恩返しをする時だと思っています。

 私が米国のホームラン・キングであるハンク・アーロンさんと一緒に、「正しい野球を全世界に普及・発展させ、世界の青少年に友情と親善の輪を拡げよう」と創(はじ)めた世界少年野球大会も、今年で20年になりました。第1回大会から昨年までに87の国と地域から4,319人の少年少女が参加してくれました。物質的に豊かではない国の子ども達も数多く参加していますが、野球を通じて、国境を越えた友情が育まれていく様を見るにつけ、続けてきてよかったと感じています。

 私一人の出来ることは僅かですが、多くの仲間の協力を得るとともに、多くの企業・団体の皆さんから共感を得ることで続けてこられたことは、喜びであり、感謝以外の何物でもありません。

 麻生総理を表敬訪問した際には、「使わなくなった野球用具を、買うことの出来ない国の少年少女に贈ることも、国際貢献の見地から重要だ」との野球の普及にとって欠かせないアイデアもいただきました。多くの国と地域の人々が、野球をすることで平和を実感できるような、そんな活動もこれから取り組んでいかねばと思っています。

 ユニフォームは脱ぎましたが、それだからこそ逆に自分自身の活動範囲は拡がったと考えています。これからも「大好きな野球」とともに、社会貢献活動や国際親善に取り組んでまいります。

※ 王貞治野球特別大使の表敬(首相官邸ホームページ)
※ 世界少年野球大会について(財団法人 世界少年野球推進財団ホームページ)
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