麻生内閣メールマガジン(第39号 2009/07/16)
この人に聞きたい
[日食・世界天文年!](日本学術会議会員・放送大学教授、世界天文年2009日本委員会委員長 海部宣男)
 7月22日に、日本で久々の日食、それも南の島では皆既日食が見られます。日食をどう観測するか、新聞・雑誌やテレビでも賑やかですが、今年展開されている世界天文年と併せてお話しします。

 いつ日食が見られるか。地域によって若干異なりますが、7月22日の9時半〜10時ころ始まり、12時15分〜12時半ころ終わります。一番欠けるのは11時前後ですから、忙しい職場のみなさんも外へ出てみてはいかがでしょう。どれくらい欠けるかも、地域によります。詳しくは写真のページの「日食の見え方」を見てください。

 日食を見るときの安全性について、盛んに報道されています。必ず、安全な日食観測用のめがねを購入して、観察してください。世界天文年日本委員会では光学メーカーとの協力で安全な日食めがねを作って、全国の学校などにサンプルを無料配布しています。

 ここでは、めがねがなくとも、ビジネス街でもどこでも日食を楽しめる方法を伝授しましょう。あらかじめ、昼前の11時ころ、よく陽が当たって地面に木漏れ日が射している樹を探しておきます。公園でも街路樹でもいいのです。日食になるとあら不思議、地面に落ちている木漏れ日の形が三日月形に変わってゆきます。木の葉の小さな隙間がピンホールカメラのピンホールの役をして、欠けた太陽の形を地面に映し出すからです。そよ風が吹けば地面のたくさんの三日月が揺れそよいで、なんとも言えずきれいですよ。でもやっぱり太陽を直接見たくなるなら、ぜひめがねを用意してください。

 世界天文年の今年、日食が日本や中国で見られるのは偶然とはいえ、すてきなことです。世界天文年は、1609年にイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を作り、はじめて宇宙を観測してたくさんの発見をしたことを記念して、400年後の今年、盛大なイベントを世界中で繰り広げているものです。この400年に望遠鏡が広げた宇宙が、広大なものでした。そして宇宙は、子供たちを惹きつけます。142カ国もの参加で、国際企画もたくさんありますが、日本では日本学術会議(内閣府)のもとで、国立天文台、JAXA、関係学会、全国の公開天文台と科学博物館、天文教育の専門家などによる委員会が作られて、全国的に多彩な活動を展開しています。ちょっと例を挙げてみます。

◇君もガリレオ!プロジェクト
 小学生がお小遣いで買える! 千〜3千円の質の高い望遠鏡の組立てキットで、ガリレオと同じ15倍の倍率で月をスケッチし、35倍で木星の衛星や土星の輪を観測できます。開発途上国にも寄付をして、大人気です。

◇巡回企画展「ガリレオの天体観測から400年」
 国立科学博物館、日本天文学会との共催です。国立科学博物館で大入りの盛況でした。このあと、仙台、新潟、名古屋、大阪と回ります。

◇「アジアの星」プロジェクト
 星の神話は、ギリシャローマばかりではない! アジアに伝わる星の神話伝説を集めて共同出版しようという、世界天文年アジア共同プロジェクトです。

◇星空ブックフェア「本を枕に宇宙を見よう」
 天文・宇宙の本のコーナーを、全国の本屋さんが展開してゆきます。上々の反響に本屋さんも喜んで、どんどん広がっています。

◇めざせ1000万人!みんなで星を見よう
 173万1872人。今年、7月13日までに星を見たり観測したりしてホームページに登録した人の数です。今年1年で、日本人の10%、1000万人に星を楽しんでもらおうという全国企画です。

 このほか、工夫を凝らした企画がいろいろあります。ぜひ、世界天文年2009日本委員会のホームページをお訪ねください。私たちは、「どこでも誰でも世界天文年」、「日本全国津々浦々世界天文年」をキャッチフレーズに、団体でも個人でも、さまざまな形での参加を呼びかけています。7月7日には、全国の大学約100箇所で世界天文年七夕講演会が開かれるなど盛り上がりました。8月22日には、沖縄の石垣島で「南の島の星祭り・伝統的七夕ライトダウン」を盛大に行います。

 忘れていた星の世界にふれ、自然や宇宙のことを考えるよいチャンス。子供さんと海や山で天の川を見ることができたら、それもあなたの世界天文年イベントです。

※ 世界天文年2009ホームページ

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