麻生内閣メールマガジン(第40号 2009/07/23)
この人に聞きたい
[花火と日本人]
(社団法人日本煙火協会専務理事 河野晴行)
 日本の夏の風物詩である花火。夏の到来とともに花火の季節となり、各地で花火大会が行われ、老若男女を問わず花火でつくられた夏の思い出も多いことでしょう。

 日本の花火の歴史は、16世紀に火縄銃とともに日本に火薬が伝来したことに始まりますが、いつ花火が作られたか、最初の花火はどういうものかは、残念ながらはっきりしていません。

 しかし、1613年に徳川家康が外国の花火を鑑賞した記録は有名で、その35年後には江戸の町でねずみ花火の原型などの花火が流行し、火災予防の観点から花火を禁止した記録もあり、短期間に日本国内で製造されていたことが分かります。

 それらの花火は、18世紀になり観賞用の上空に打ち揚げる花火へと発展して行きます。当初の打ち揚げ花火はいわゆる炭火色の花火で、現在のようにカラフルな色が出せるようになったのは明治時代に西欧から化学薬品が輸入されるようになってからで、花火の世界にも産業革命があったということです。

 その後、日本の花火は職人達の試行錯誤の結果、20世紀には、世界に誇るわりもの(真ん丸く開く花火)の最高傑作と言われる八重芯菊花型(やえしんきくかがた)花火、すなわち丸く開いた菊の中心に芯が二重に入った花火の完成に至ります。

 現在ではさらに三重、四重の芯を持つ花火や創造性豊かな花火も多数作られています。その一方で、手筒花火や竜勢花火など昔からの花火も各地で脈々と続いており、これもまた大切な伝統文化と自負しております。

 花火は叙情的な線香花火から華麗な打ち揚げ花火まで、思い思いに楽しむことができ、人の心を癒します。また、日本人の花火に対する感情は、桜の花に代表されるような、はかなく消えゆくものに対する美意識と共通するものがあります。そもそも花火を行う目的は、五穀豊穣、悪疫退散、天下泰平などの願いに通じております。

 日本の花火は、そうした精神文化を大切にし、将来に向かい、より一層の芸術的探求と、技術的な進展を続けていくものと確信しております。

 皆様も今年は昔を思い出し、親子で花火を楽しんだり、近くの花火大会にぜひお出かけください。

※ 平成21年度 花火大会スケジュール(社団法人日本煙火協会ホームページ)
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